壱歳＝壱差

Episode 1

私と花帆が体育館につくと、ちょうど入学式開始のアナウンスが流れていた。

体育館正面入り口へ行くと、すでに1年生が並んでいる。

花帆が

「こっちからは入れないねー。　裏から入ろうか」

と言ったので、私は花帆に続いて静かに裏口から体育館に入った。

2,3年生は本当だったら教室で自習しないといけないので、私達は先生に気づかれないように、2階へと上がった。

床に座り、手すりの間から顔を覗かせる。　近くの保護者には、きっと変な目で見られてたと思う。

―――・・・新入生、入場。　　　　・・・～♪　・・・―――

教頭のアナウンスで音楽が流れ、1年生が行進を始めた。

「さぁ、イケメンは見つかるでしょーかっ！！」

「シケメンばっかだったら悲しいよねー」

「さすがに1人くらいは良い子いるでしょ。　あ、あの子いい感じじゃん♪」

「どの子？　あぁ、あの子かぁ～」

「横顔かっこいくね？」

「確かにー」

などと2人でくすくす話していると、入場が終わった。

―――・・・一同、礼。　続きまして、国歌斉唱。　・・・―――

教頭の妙にゆっくりな喋り方で、式はどんどん進んでいく。

―――・・・新入生、退場。　　　　　　　　　　　・・・―――

1年生は入口の方へ向かい、どんどん退場していく。

「うちらも帰ろーか。　先生達に見つかったらメンドイから」

「そだねー　行こっかぁ」

こうして私達の新入生イケメン探しは終了した。