魔法の修行

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「今日一日、考えて明日どうするか結論を出せよ」 兄さんは、そう言って僕の部屋から出ていった。 僕の部屋は10畳ぐらいの広さ。 ベッドと小さな丸いテーブルだけの質素な部屋。 兄さんの部屋は僕の部屋の五倍ぐらいの広さだ。 僕は泣きつかれてベッドに倒れ込んだ。 仰向けになって考えた。 (いつから兄さんは冷たくなったんだろう? あの事件? いやあの事故からかな……) そんな事を考えていたら、うとうとして目蓋(まぶた)が閉じてきた。 すると、あの日の事が目蓋(まぶた)に蜃気楼みたいにボーっと浮かんできた。
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