435人が本棚に入れています
本棚に追加
あれは僕が11歳の誕生日を迎えた2月2日の事だった。
朝から小雪混じりの寒い日。
僕はベッドの中で、うつらうつらしながら微睡(まどろ)みを楽しんでいた。
『アホー……』
壁に設置された木彫りの時計が時を告げている。
「……8時かぁ……寒いし……」
『バーン』
扉が威勢よく開けられた。
「龍よ。何時まで寝てるんだ。
俺は朝5時に起こされ3時間も修練したんだ。
お前は気楽でいいなぁ。
ところで俺との約束忘れていないよな?」
「えっと……」
最初のコメントを投稿しよう!