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兄さんは魔方陣に右手を近づけて魔方陣を右手で掴(つか)んで広げるような仕草(しぐさ)をした。
すると魔方陣がググッと1メートルぐらいに広がった。
「龍よ。
俺に接するように近づいて魔方陣の中に入れよ」
兄さんに指図されて僕は、何だろうと思いながらドキドキしながら近づいた。
魔方陣の中に入ると、プーンと僕の好きなライラックの花の香りがした。
魔方陣の中は余り居心地が良くない。
頭が半分痺れたようにジーンとするし、心臓がバクバクと暴れている。
兄さんに聞いたら、魔方陣の中も外も同じだよ。
ライラックの香りなどしないし気のせいだ。
と笑われた。
「そろそろ行くぞ」
兄さんが
『瞬間移動』
と呪文を唱えた。
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