生徒会選挙!つまりは死亡フラグっ!

7/25
前へ
/29ページ
次へ
やっぱあれ遅かったのか……。 「で、なんで遅れたんだ?」 担任が、厄介な生徒が来たとでも言わんばかりの顔で聞いてくる。 これはちょっといただけない。早くも問題児のレッテルを貼られては、今後色々と困る。てゆうか俺は問題児じゃない。 ここはなんとしても、自分の責任を回避しなければならない。 俺の天才的演技力が発揮される瞬間だ! 「あいつは……俺を束縛して離さない……。いったいいつまで苦しめられるのか……。全てはあいつのせいで……!俺は悪くないのに……!!」 「で、なんで遅れたんだ?」 普通に無視された。 どうやら完全に逆効果だったようだ。 不思議だ……俺の迫真の演技が意味をなさないなんて……。もしかしてこの担任は、他人の不幸とかには何の関心も示さない冷酷な人間なのだろうか。 仕方ない、普通にしよう。 「はいはい、ただの寝坊ですよ。」 「そうか、じゃあ早く席に着け。」 「はいわかりましたー。」 まあ前にいても何の意味もないし、自分の席に向かう。 なんか周りの生徒の視線が痛かったけど。 席は出席番号順に並んでるので、やっぱり俺の席は浩輝と優奈の間。 「お前の度胸は、他の誰にも負けないな。」 「つまりは、人類で最も馬鹿、ってことですか?」 俺の扱いは、中学の時とあまり変わらないようだ。 「ありがとう、褒めてもらえて嬉しいよ。」 「誰も褒めてません。」 「なんであれ、一番になるのはいい事だ。」 「一応言っておくが、その考えは間違ってる。」
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加