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霜ノ瀬学院。
難関エリート進学校であるはずのその学校に、なぜか俺が受かった。
中高一貫の学校だが、小学生の時には中学受験など微塵の興味もなかった。
厨二……いや、厨二……あれ?厨……中二……うん、中二。
中二の時にその学校を知り、興味を抱き、一応それなりの勉強をして入学試験に臨んだ。
けど、俺は決して頭が良いというわけではなく、受かる可能性はとても低かった。
てゆうか普通に考えて、俺程度の頭でそんな学校に受かるなんて、基本ありえない。
でも、今、目の前には自分の受験番号が書かれている。
「マジかい……。」
我ながら、未だに信じれない。
「おい勇一……本当に受かったのかよ……。」
一緒に合格発表に見に来てた父が驚いている。
まあ確かに、息子が日本トップクラスの学校に受かったなんて、驚いてもおかしくないけどさ、父親ならちょっとぐらい喜んでくれてもいいと思う。
あ、因みに俺の名前は左藤勇一(さとう ゆういち)。佐藤じゃなくて左藤ね。ここ重要。
「……あれだろ?これ絶対間違えたとかだろ?もしかして……お前カンニングしたのか?」
……こいつ本当に父親だろうか。
ちょっとこっちのほうが信じられないかもしれない。
「はあ……まあ、あれなのかな?この学校に行くのが運命だったとか……。」
「うわ……自分の息子ながら……イタイ……。」
もうお前何なんだよ。何で来たんだよ。
だが口には出さない。俺って優しいね。
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