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そのとき、
「おう、勇一。お前どうだった?」
「ん?ああ、浩輝か。」
話しかけてきたのは、左京浩輝(さきょう こうき)。
同じ中学だったやつで、出席番号で前後だったとかで親しくなった。
こいつも受験していたわけだが、顔がにやけてるあたり、合格したんだろうな。
「受かってたよ。奇跡的に。」
「マジか!俺、本心ではお前落ちてると思ってたよ!」
とても爽やかに、とても正直に、傷つくことを言われた。
「もういいよ……。」
「いやごめんごめん。まあとりあえず俺も受かったから、またこれから三年間同じ学校だな。よろしく。」
「ああ、まあよろしくな。」
「んで、他のあいつらは受かったのか?お前知ってる?」
「いや、知らない。ここ来て最初に会ったのお前だからな。」
「そうか……まあ、あいつらなら受かってるだろうな。」
「てか、あいつらが落ちて俺が受かるとかありえないだろ。」
俺たちの他に三人、同じく受験したやつがいるのだが……まあ三人とも、中学の時は上位十人の中に入ってたからな。どうせ受かってるだろう。
「勇一。」
「なんだよ、空気になってた親父。」
「え……いやまあ事実か……ええと、三人とも皆受かったそうだぞ。今メールで来た。」
そこで認めちゃ、親として駄目だろ。
とか思いながら、親父の携帯を見る。
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