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入学式当日。
「早くも遅刻とか……。」
父親は朝早くに出勤し、母親は、息子の入学式だというのに、未だに寝ている。
一時間ほど音を鳴らし続けていたであろう目覚まし時計は、8時半過ぎを指していた。
「萎えた…………。」
何で俺はこんなに寝起きが悪いんだよ。
母親の遺伝かろうか。
なんて要らないものを遺伝しやがるんだこの野郎。
あの二重螺旋構造が憎い。
「はあ……とりあえず急がねば。」
ウイダーinゼリーで10秒チャージしながら、学校へ向かって走り出す。
現時刻、8時40分。
入学式の開始時刻は9時。
家から学校まで、歩いて30分。
走れば入学式には間に合うはずだ。
「行くぞ!!俺は負けない!!絶対に間に合って見せる!!」
通行人が見てくるけど気にしない。
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