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そこには、物語の主人公の一人である狼が変身した美少女の姿が描いてあったのだが、服を何も来ていないスッポンポンでもろに描かれていたからだ。いや正確には人間じゃないとは言え、これは何だ? どうしてライトノベルにこんなエッチ丸出しのイラストが付いているんだ?
俺の動揺を見透かしたように園田先生が長いストレートの髪を揺らしながらクスクスと笑った。
「それはイラストが全面改訂される前の版よ。あたしも好きだったからね、学生時代には」
「ちょっと待って下さいよ。先生だって学校教師なんだから、日教連に入っているんでしょ? 1990年代から未成年の性の乱れを取り締まってきたのが日教連なんでしょ? これはいくらなんでもまずいんじゃないですか?」
「性の乱れを取り締まってきた、ねえ……」
園田先生はなぜか、ふっとため息をついた。が、すぐにまたいつものいたずらっぽい笑顔に戻って俺に言った。
「なんにせよ、君はそれを見ちゃったのよねえ? さあ、口止め料に何をもらおうかしら?」
「て、先生、俺をはめたんですか?」
「あはは、冗談よ。ただ、ついでにもう一つ秘密にして欲しい事があるんだけどな」
「かなわねえな、先生には。まあ、いいですけど。何ですか、秘密って?」
園田先生はそれには直接答えず、首を後ろに回してベッドの周りを囲んだカーテンの方に向かって言った。
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