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「文学作品を18禁にしろって決めた法律なんかどこにも無いわよ」
「え? いや、でも、現に本屋には18禁コーナーがあるでしょ!」
「18禁コーナーというのは元々は大人限定のエッチな本のための物よ。文学作品を18禁にしているのは、あくまで出版社の自主規制という形でしかないの。ライトノベルやコミックやアニメだって、学校教育の教材として使わなければいけないという法律は無いわよ。いつの間にかなんとなくそう決まっただけ」
「そ、そうなんですか?」
俺には意外を通り越して信じられなかった。だったら社会のルールって、一体何なんだ? 学校の先生が「これが正しい」って教えている事に、実は根拠がなかったっていう話になっちまうじゃないか?
「ねえ、松陰君。ファシズムって言葉知ってる?」
不意に園田先生が聞いた事もない単語を口にしたので、俺は余計混乱させられた。
「ええと、日本一新の会の橋ノ下代表の事でしたっけ?」
「それは『ハシズム』。確かに強引なところのある政治家だけど、あれとファシズムを一緒にしちゃダメよ」
「だったら、分からないですよ」
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