シャリシャリ

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シャリシャリ

あれは…。 そう、もう8年以上も前の出来事になる。 私は当時学生で、住み慣れた田舎の実家から離れ、都会で一人暮しをしていた。 初めての一人暮しということもあり、始まったばかりの新しい生活に胸を踊らせていた。 そんな一人暮しの生活に慣れた数ヶ月経ったある日のこと。 私は夜に不意に目が覚めた。 時計の蛍光色の針が指していたのは、真夜中の1時過ぎ。 秋口とはいえ蒸し暑く、私はびっしょりと汗をかいていた。 なぜこんな時間に目が覚めたのか。 ………。 それは耳障りな音を、私が聞き取ったからだ。
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