0人が本棚に入れています
本棚に追加
多分この光景は異常であるといえるだろう
しかし僕にはその異常が普通に思えた
さらにいうとやっと来たか、という気さえする
何故かは僕にもわからない
「何かお探しかい?」
猫は二度同じ質問を僕にしてきた
「いいや、何も探してはいないさ」
僕はそう言うと猫はふっと笑い僕の向かいの席を指(というかにくきゅう)を指した
「座っても?」
猫はそう言い僕が返事をする前に座っていた
すこし可笑しい気がして口が綻ぶ
じゃあ聞くなよ…と
「いやはや申し訳ないね、最近は体がすぐに疲れてしまって…さて君は私のことを知っているかな?」
猫が急に質問をしてきた
知っている?そんな馬鹿な
今僕とこの猫は出会ったばかりである
して、今や失われた記憶の中にも不思議と出会った気はしない
「知るわけがない」
と簡潔に答えた
最初のコメントを投稿しよう!