回想列車

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「別にない」 まったく思ったことそのまま口にだした というか僕のことは別に知りたくてもいいといっていたのに… すると猫は 「おや、面白いな君は。なら何故この電車に乗っているんだい?」 「いつの間にか乗っていたんだ、訳は知らないが」 話はぽんぽん進んでいく もう過去すら忘れた 何があってどうしてこうなったか 「それはそれは、ご愁傷さまで」 なんだか小馬鹿にされた気がするが 多分この猫には何を言っても馬の耳に念仏だ と思いやはり何も言わない 「今回は少しばかり面倒なようだね?」 なんのことだ? 「いやいやこちらの話さ。そらあっちを見てご覧なさいよ」 そう言って杖で窓の外を指差す すると遠い向こうの方に光に紛れ街のようなものが見えた 前まではいくら見続けてもなかったものがそこにあった 「いやいや、残念それは違う。あれはなかったんじゃない。ずっとあったさ?君が見つけなかったんだ」
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