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(………あれ?)
目を開けるとそこには青い空。
(…どうなってんだ)
体を起こし当たりを見渡すとそこには大きな木々と綺麗な湖がある。
そして自分がどうしてこうなったか考えると違和感を感じた。
確か俺は……。
思いだそうとするがまったく思い出せない。
いや、特に裕福というわけでも貧乏というわけでもない家に生まれてから何不自由なく育てられた。
毎日学校に行って日が暮れるまで友達と遊ぶ。
家に帰ればその日あったことを話しながら夕飯を食べる。
そんな平穏な生活をしていたと言う記憶はある。
だが俺の『名前』が思いだせないのだ。
そして何故、自分がこんな場所にいるかもだ。
(訳がわかんねぇ……)
名前が思い出せないうえにいきなり森。
「……意味がわ………え?」
自分の思わず呟いた声を聞き違和感を感じる。
それは以前までの声変わりを経験した低い声ではなく、可愛らしい少女のような、とても愛らしい声色。
そして不安になり自分の体を見てみると何故か白いローブのようなものを着用していた。
丈は膝の少し下辺りまであり、そこから下には細い色白の肌が覗いている。
「ま、まさか…」
そんな思いから恐る恐る、ゆっくりと自らの手を下腹部へと持っていく。
するとローブの上からでも分かるように、そこにあるはずのものはすっかり消失してしまっていた。
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