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(…俺が、この子の幸せを奪った………)
少年の兄は、裏社会で名の通る極悪非道の男だった。
だからこそ、“壊す”任務が発生した。
――けれど。
そんな男でも、大切な存在がいて。
その男にとって、弟がそれだった。
男は弟を養うために裏社会で名を馳せ、極悪非道の行いをして。
弟は兄の仇討ちのために、自らの手を血に染めた。
「……逃げな……」
少年がビクリと身を震わす。
少年の反応に構わず、翼は入り組んでいる路地を指差して、言った。
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