闇の中の道標

4/22
前へ
/24ページ
次へ
風が吹いて、少年の黒髪がなびいている。 少年は黙したまま、空を見上げていた。 風を感じながら、少年は目を閉じる。 「…………任務は完了した」 「あ、やっぱ気付いてた?へー、もう終わったのか。仕事が早いな、櫂は」 呟かれた言葉に応える声は、少年の背後からだった。 少年…櫂は振り返ると同時に、ナイフを相手の喉元に添える。 「…………殺されたいか、翼」 櫂の瞳に映るのは、茶髪に茶眼の青年。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加