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風が吹いて、少年の黒髪がなびいている。
少年は黙したまま、空を見上げていた。
風を感じながら、少年は目を閉じる。
「…………任務は完了した」
「あ、やっぱ気付いてた?へー、もう終わったのか。仕事が早いな、櫂は」
呟かれた言葉に応える声は、少年の背後からだった。
少年…櫂は振り返ると同時に、ナイフを相手の喉元に添える。
「…………殺されたいか、翼」
櫂の瞳に映るのは、茶髪に茶眼の青年。
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