闇の中の道標

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陽の光が浸透するかのように明るくなってきた外から身を隠すように、櫂は自室の窓をカーテンで覆った。 櫂はベッドに転がって、自分の腕で視界を遮断する。 「…………アイツは変わらないな……」 アイツ…翼は、昔からあまり変わらない。 少しは変わったのだろうけど………。 「…………アイツに、“壊す”仕事は向いてない」 “壊す”仕事。 それは、櫂と翼が生きていくためにしていることだった。 “壊す”対象は様々だ。 例えば、建物。 例えば、なにかの象徴。 例えば、――――人や人の心。
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