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櫂にバッサリと切り捨てられた翼は、心配事があるように顔を曇らせていて。
「…大丈夫、だよな……?」
翼は櫂の部屋を見上げていた。
カーテンが窓を覆っているところを見ると、櫂は部屋にいるらしい。
翼は、櫂の心が心配だったのだが、あの様子だと大丈夫と思うしかない。
本当は辛いのではないか。
本当は怖いのではないか。
櫂は心というものを、感情というものを忘れたから平気だと、翼に言う。
――けれど。
「平気なわけ、ねぇだろ………」
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