一章

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「あー…お腹すいたぁ」 今の時刻、19時32分。もうすぐお父さんが帰ってくる頃。 私の家では、家族全員がそろってから食べるのがルール。 つまり、今はお父さんが帰ってくるまでなにも食べれない状況にある。 「ただいまー」 すると、玄関から聞こえてくるお父さんの声。 やっと帰ってきた!! 私は待ってましたとばかりに、部屋を出て軽やかな足取りで階段を下りようとした。 まさに、その時だった。 ―――ガシャアアアアン!! 次に私が見た光景は、一階全体に舞い上がった砂埃と、所々に飛び散る紅だった。
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