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やはり今日も朝早いエレベーターには春海一人きりである。 ――ピンポーン いつもの聞きなれた合図の後、目の前の扉が開くと、無意識に右足を前へ踏み出す。 が。 「っっと!?!?」 春海は、視界の端に違和感を感じ、間抜けな声を発しながら、とっさに足の着地地点を斜め前にずらす。 降り口の無機質なベージュ色の床に、ふと赤い塊が見えたのだ。 「イ゙ダッ!」
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