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彼女の名前は、広瀬春海(ハルミ)。 海が目の前の田舎の港町で、4月に生まれたので、「春海」。 なんとも安易な名前をつけられた彼女は、その時から平凡な人生を歩むことを運命づけられていたのかもしれない。 そして幸か不幸か、彼女はその運命を順調に歩んできている。 頬をかすめる暖かな心地のよい風は、これから仕事に行くという概念をもサラーッと吹き飛ばしてくれそうだ。 はぁ・・・ 今日も爽やかな朝・・・ あー。こんな日こそ家でゴロゴロしたい・・・ 鮮やかなピンク色から緑色に衣替えを始めた桜の木は、順調に時が流れていることを教えてくれているかのようだった。
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