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「え? え? えぇ?」
いやいやいやいや流石に誘拐はマズいって。
確かにお持ち帰りしちゃうぞとか言ったけど、理性と正気はまだ無くしてないし、
それに、子供拾って育てられる金は無いし
っつーかちょっと色々と待て!!
「ぼ、ボク? あのなあ、さっき言ったお持ち帰りって言うのはただ単なる比喩……まあ軽い脅しな訳で、別に本気で言っている訳では」
俺の弁明も聞く耳持たず、ショタ――ネコが言う。
「何でもいい。 とにかく、匿って。」
はい?
ネコは無表情で続けた。
「大丈夫。 警察とかは動かないから。」
ぐぐ、とネコは起き上がり、立て膝をつく。
彼はどこかを痛めているのか、顔を歪めた。
「大丈夫か、どこ痛いんだ。」
俺の質問を無視してネコは言う。
「せめて、学校が終わるまで、その部屋にいさせて。」
いや、部屋に入れる瞬間を誰かに見られでもしたら確実に誘拐犯なんだが。
………! そうだ。
「じゃあ。」
俺は立ち上がり2、3歩進む。
「俺が階段を降りきったら勝手に入ってくれるか? 鍵は閉めろよ。 あと部屋は漁るな。」
これで、俺は誘拐犯ではなく、『鍵を閉め忘れ、勝手に家に入られた不法侵入の被害者』になる訳だ。
あったまいい俺!!
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