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目的地の橋の上には初日の出を見る目的の人が多く集まっていた。
結果だけ言うと、海から昇る初日の出は見えず。ちょっとがっかり。
水平線のあたりに雲があり、その雲の上から元旦の太陽が昇ってきた。
最初、美紀子と博美に誘われた時、あまり乗り気がしなかった。
でも、高校時代の最後の思い出にと言われると、行ってみたくなり、参加。
受験生が初日の出なんてと、親もいい顔はしなかったけれども、
先生が一緒だということで、許してくれた。
先生、先生の息子さん、私、美紀子、博美、橋本君、水口君と
橋の欄干に並んで、初日の出を見た。
見ているのは私たちだけではない。
同じ日、同じ時間、同じ場所で、同じものを見る。
そういうのもいいなぁ、いい思い出になったなぁ…と、私は思った。
太陽が昇ってしまうと、そういう人々も三々五々散らばっていく。
それも不思議な光景。
別に誰が音頭をとっているというわけでもないのに、同じ頃に集まり、そして散っていく。
ぞろぞろと歩いて車に戻っていく時に、先生が一人で先頭を歩き、
博美と橋本君が並んで歩き、水口君が美紀子にちょっかい出しながら歩いているものだから、自ずと、私は先生の息子さんと歩くことになってしまった。
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