寒い冬

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黙っているのも気まずいと思っていると、先生の息子さんの方から話かけてくれた。 「さっき、車の中で前の二人は推薦で決まってるって言ってたけど、 佐々木さんはこれから受験?」 「はい」 「そっか。大変だね。俺も四年前思い出す」 「四回生なんですか?」 「そっか。車の中寝てたから、言ってなかったっけ。改めて、深山真一です。風見大学理工学部の四回生。もうすぐ卒業」 私の私立では第一希望大学のしかも偏差値が高い学部…。 意外にすごいんだ。意外でもないかな。先生の息子だし。 大学生と話をするようなことなんてめったにないし、何を話題にしたらいいのか迷っていた。 今、頭の中は受験のことでいっぱいだし、 それ以外の他愛のない、女子高生の話題なんて、大学四回生には、バカにされそうだし。 またまた、深山さんの方から質問してきた。 「なんで新聞部なんかに入ってるの?」 受験のことじゃなかったのでちょっと一安心。 どうして新聞部にはいったのか?それも、自分でもよくわからないコトだけど。
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