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その後彼女達は用事があるからと言って先に言ってしまった。
学園まで連れて行ってもらおうと思ったのにな……
僕がそう思いながら学園に向かって歩いていると
「ちょっと!止めてって言ってるでしょ!!」
すぐそこの路地で少女が男三人に囲まれていた。
こういう展開ってよくあるよね……。まったく…定番すぎてあきれるぞ。
「いいじゃん、学園なんて休んで俺達と遊ぼうよ」
「そうそう。絶対楽しいって!」
少女はなお、暴れていた。おいおい楽しいらしいぞ。抵抗なんて辞めてついてけばいいのにな。
あ……、少女と目が合った。
「ちょ、ちょっとそこのアンタ!!助けて!」
目が合ったのは気のせいだ。
うん、きっとそうだ。他の人と目が合ったんだ。
一応周りを見渡したけれどまさかの誰もいなかった。
まぁ、いいか。
僕は再び学園に向かって歩こうとしたら
「え!?アナタよ!!そこの黒髪のアナタだって!!周りにアナタ以外誰もいないじゃない!?」
僕は少女の方を見て一度立ち止まり、肩をすぼめた。
なんで転校初日から事件にまきこまれてんだよ、僕は。
「あ、あからさまに嫌そうにしないでよ!!」
少女は今度はこっちに向かって怒鳴ってきた。
怒る矛先おかしいよね!?ぜったいおかしい!!
めんどくさいけど僕は左右の手を広げて右手の指を畳んでいった。
助けてプラスになることは0、
助けてマイナスになることは5か……
瑞「よし、僕は助けない!」
「えぇ!?何言ってるのよ!!助けなさいよ!」
い、いちいちうるさい子だな……
ったく……、どこの中学の生徒だ?
………………同じ制服を着てるのは気のせいだ。うん気のせいだ。
瑞「ごめん、無理!遅刻するからな!」
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