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「瀬戸くん、おはよう!」
「あ、水橋さん。おはよう」
「うわー、それ全部女の子からもらったの?すごいね!さすが校内1のモテ男」
「そんなことないよ。でも、こんなにもらえて嬉しいよ」
「でも多分ほとんどの中身はチョコだろうね。食べるの大変だったらあたしが一緒に食べてあげるよ!(笑)」
「あはは、ありがとう」
放課後にもなると、もらったチョコの量は紙袋3つ分にまでなっていた。
持って帰るの面倒だなぁ…。
「じゃあね瀬戸くん、ばいばい!」
「えっ?」
おい!
お前まだ僕にバレンタインキムチ渡してないだろ…!
何さっさと帰ろうとしてるんだよ!
恥ずかしくて渡すのやめたのか?
「あ、あの、瀬戸くん…コレ、受け取って下さい」
クラスの女子の声で我にかえる。
「え?ああ、ありがとう…うっ」
何だこの強烈な臭いは!!
「瀬戸くん、キムチが好きだって聞いたから…」
…そうか。
アイツは、友達のために僕にいろいろと聞いてきただけだったんだ。
別に僕のことが好きだったわけじゃないんだ。
うわ、勘違い。
自意識過剰。
恥ずかしー…。
「…ごめん、」
「えっ?」
僕は教室を飛び出し、まだ校内にいるであろう水橋を探した。
…いた!
「おい!水橋!!」
「…どしたの瀬戸くん、そんな慌てて」
「あんたさ、友達のために僕のこと探ってたのかよ」
「…うん。本人から聞いちゃった?あの子本当に瀬戸くんのこと好きでさ、いい子なんだよ。だから、もしよかったら付き合ってあげてほしいな…」
「無理だね」
「えっ…」
「僕、水橋のこと好きになっちゃったみたいだから」
「…ええええ!?そ、そんなこと言われても、あたし…」
「返事は聞かない。絶対、いつか僕のこと好きって言わせるから。覚悟しててね」
「そ、そんな…ていうか、瀬戸くんキャラ違いすぎ…」
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