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そして何より恐れられているのはその性格だ。
極悪非道。
すぐには殺さず、獲物の悲鳴を聴きながら少しづつ痛めつけながら、そして最後はその大きな口で食い殺す。
残虐性で言えば魔物の中でもかなり高いほうにいる。
『おぅおぅ、こんなとこに人間がいるじゃねえか』
「………」
そして人型の魔物は人の言葉を話す事が出来る者が多い。
それもまた人々の恐怖をつくりだしているのかもしれない。
腰にある全てが黒く光沢のある片手剣を静かに抜き、斜め下に剣先を向け構える。
『なんだ?ちび、まさか俺とやる気か?』
バルサデーモンはニヤニヤしながら俺を見る。
170あるかないかの身長の俺は確かにこいつからみたらチビになるだろう。
「………」
それに俺は無表情で答え、剣を持っていない手でめんどくさそうに手招きをする。
その簡単な挑発にバルサデーモンは怒りの表情を作り出し、こちらに飛び掛ってきた。
5メートルあった間合いを1回の飛び込みで詰め、そのナタを振り下ろした。
「……遅い」
軽く横に飛んで躱すと、ナタは思い切り地面にぶつかり砕き飛ばした。
小石が黒いコートに当たるのを無視して俺は無表情から笑顔に変わる。
バルサデーモンはそれを見てか、更に怒り狂い地面刺さったナタを抜こうとしたが
『あぁん?』
しかしそれは叶わず、腕がなんの抵抗もなく持ち上がった。
バルサデーモンは地面刺さったナタを見る。
『く、クソがぁぁぁぁぁぁあああ??』
そこには自分の右手がナタを握りしめながら残っており、右腕を見ると手首から上は無くなっていた。
叫びながら残った左手でナタを引き抜きバルサデーモンの右側にいた俺に向かって振り抜く。
それを後ろに飛んで躱す。
そこからバルサデーモンも俺の実力が分かったのか魔力を口に集める。
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