誰もいない

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みーんみーん。 セミ達が我こそはと騒いでいる。 まだ朝だから我慢できるが、昼間にこの騒音を出されたらと考えると、たまったもんじゃない。 「ふー。」 朝といっても歩いていると汗が滲むくらいの気温ではある。優太は手を団扇のようにしながら学校へと続く坂を上っていく。 「まったく誰だよ、このはた迷惑な坂を作ったのは。」 文句を言いながらそれでも上っていく。
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