誰もいない

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教室に入ると冷たい空気が流れてきた。うちの学校は冷暖房完備なのだ。生き返る心地で自分の席に向かう。俺の席は窓際最後尾。 まさに俺に相応しい席だ。 クラスメイトの騒がしい声が聞こえる。将生とは違うクラスだ。将生は俺の唯一の友人だ。つまりは独りだ。 人見知りな性格のため友達作りが上手くいかなかった。もちろん話しかけられるが、上手く話せず会話が続かない。 俺はクラスで浮いた存在だ。 いや存在自体があやしい。
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