未来世紀

3/3
前へ
/151ページ
次へ
日本列島とムー大陸州を繋ぐリニアモーターカー二千系かなた女性専用車両の中で、 通学中も気品溢れるお嬢様の早乙女望都(さおとめ・もと)は日本そのものの様に、 朝っぱらからテンション上がっていた。 「幻の大陸で紡ぐ私とお姉様の恋物語! ロマンチック過ぎますわ~」 そう!望都はガチレズ……でなく百合っ娘なのだ。 ムー大陸州の東太平洋県南鳥島市にある、 帝立太極学園高等部が彼女が通う学校だ。 生徒の殆どが広大な東太平洋県の寮で暮らす中で、 日本列島の帝都東京から通学する望都は友達が中々出来なかった。 しかし最近は自分の一年Z組には眼鏡っ娘の親友の占部真奈美。 Z組の二年には憧れの先輩の城香美と仲良くなったから楽しくて仕方ない。 「おほほほほ~!」 乗客の白い目など気にせず、 お嬢様としてはありがちな縦ロールの髪と、 セーラー服のスカーフを揺らして高笑いする望都。 だが彼女のテンションと呼応するかの様に、 突如車体も空気も鼓膜も破らんばかりの爆音が鳴り響いた! 「きゃあ!な!何ですの!?」 驚きながら車窓を見渡すと、 核爆弾が炸裂したかの様に巨大なキノコ雲が上がっていた。 太極学園の方角だ!
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

294人が本棚に入れています
本棚に追加