294人が本棚に入れています
本棚に追加
/151ページ
惨状
二千系かなたが太極学園前駅に停車すると、
早乙女望都は不安にかられつつ広大な駅ビルの階段を駆け降りた。
生体コードの御蔭で切符が無くても通れる改札を抜けると、
そこには隕石落下したかの様なクレーターが広がっている。
帝都東京二十三区ほどの敷地を持つ、
帝立太極学園が丸々消滅していたのだ。
「なななななななな何ですのこれは!?
隕石!?ブラックホール爆弾!?天罰!?
こここ恐いですわあぁあぁあ~!!!」
ブラックホールの縮退技術が完成し、
原子力が撤廃され核爆弾による放射能や、
宇宙人侵略の心配は無くなった時代とは言え、
青春が突如クレーターと化して泣きじゃくる望都・・・・・
他の乗客も茫然自失で焼け跡を眺めていた。
最初のコメントを投稿しよう!