惨状

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惨状

二千系かなたが太極学園前駅に停車すると、 早乙女望都は不安にかられつつ広大な駅ビルの階段を駆け降りた。 生体コードの御蔭で切符が無くても通れる改札を抜けると、 そこには隕石落下したかの様なクレーターが広がっている。 帝都東京二十三区ほどの敷地を持つ、 帝立太極学園が丸々消滅していたのだ。 「なななななななな何ですのこれは!? 隕石!?ブラックホール爆弾!?天罰!? こここ恐いですわあぁあぁあ~!!!」 ブラックホールの縮退技術が完成し、 原子力が撤廃され核爆弾による放射能や、 宇宙人侵略の心配は無くなった時代とは言え、 青春が突如クレーターと化して泣きじゃくる望都・・・・・ 他の乗客も茫然自失で焼け跡を眺めていた。
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