釣り

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家に帰ると賀代子が電話で誰かと話していた 「…ほな頼めるで、ごめんな忙しいのに」 「ばあさんワシの釣り道具知らん…あ!電話しよったんかすまん」 「じいさん帰ってきたからきるわな」 そう言って賀代子は受話器を置き純のもとに歩きながら 「納屋の右の棚にあったでよ」 「ほうか」 「釣りに行くん?」 「寺で亜美にあって久しぶりに釣りに行くことになって道具取りに帰って来たんや」 「そう、釣りに行くんなら亜美が川に落ちんよう気を付けよりよ」 「わかっとうは、チャイムなったらもんてくるけん」 そう言って純は子供のように釣り道具を抱えて走っていった
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