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鎖の速度が最高潮にまで達する。
そこから振り下ろされるのは死の一撃。
その時だ。
キン、と硬質な音が足元から響く。
( ゚∀゚)「あ?」
見る。
そこには、小さく黒い丸い物体が転がっていた。
閃光手榴弾。
その正体に気付いたときには既に遅かった。
(;゚∀゚)「がッ――!!?」
猛烈な光と甲高い音。
対象の目と耳を封じるその形無いモノが、男の感覚神経に牙を剥いた。
視界は一瞬で白に染まり、耳の機能はその働きを一時的に失う。
数十秒経った頃だろうか。
(;゚∀゚)「く、くそが……!!」
ジョルジュがその感覚の束縛から解かれる頃には、周囲に人の影はなかった。
女が倒れていた場所には血溜りがあるだけで、本体は何処にもいない。
(;゚∀゚)「あのアマ……逃げ足だけは速ぇ……くそっ!」
悪態を吐きながら鎖を回収。
纏めたそれを握る。
淡い光。
それが消える頃には、男の手のひらには指輪が一つ残るのみとなった。
その指輪をポケットに入れ、男は歩き出す。
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