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第二章 「あぁ。待ってろ。」
夜明けと共に本家を出たリュウカ。
『チカチカする。』 夜明けの街は、色んな光が混ざり合っていた。
荷物を入れた袋を肩から提げて、適当に進んだ。
最初を思い出すなぁ…
お父…龍麗さん…どうしてあの場に居合わせたんだろ。
はぁ…
宴…楽しかったなぁ~。
みんな…笑って…
温かくて……
俺なんかが居たら、駄目なんだよね…
人間…だから。
邪魔だったんだよね…。
最初から、殺すつもりで拾ってくれたのかな?
優しくしてくれたのも
可哀相に思えたから?
同情してくれたの?
…俺、なにやってたんだろ…
馬鹿みたい。
ハハッ…自分で出た癖に……涙が止まらないんだ…
なんで?
なんで… 拭っても拭っても溢れ出すの?
もう、戻れないのに…
龍麗さん…龍麗さんにもう一回…抱きしめてもらいたかったなぁ…
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