第一章 『ごめんなさい』

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第一章 『ごめんなさい』 一日目 「ぅ…ん………………………………龍嘉?」 リュウカがいなくなって暫くすると龍麗が目を覚ました。 自分の腕の中にリュウカがいないことに気付いた。 「…龍嘉ぁっ!!!」 怒鳴る龍麗。 目を見開いている。 眠気など吹っ飛んでいた。 何事かと寝ている者達も起き上がった。 龍麗は、庭にいる。 「龍!! 龍嘉っ!!!」 くるくると辺りを見回す龍麗。 庭に出てきた者は、龍麗の慌てように驚いていた。 冷静沈着 明鏡止水 融通無碍。 この三つに当て嵌まる龍麗が、裸足で砂利の庭に出て、くるくる回っているのだ。 そりゃ驚く。 「総大将様!!」 哀歌が駆け寄った。 「龍嘉! 龍嘉がっ… 龍嘉がいねーんだよ!!」 若干涙目。 「落ち着いてください!!」 「うるせー!!」 叫ぶ龍麗。 屋根に飛び乗ってまた辺りを見回す。 「龍嘉っ!!!!」 そして…膝を着き崩れた。 直ぐに哀歌が来た。 「嘘だろ…龍嘉…」 囁くような小さい声。
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