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「なるほど。お前は猫又っつぅ妖怪で、猫にも人間にもなれる、と」
ようやく落ち着いたリビングで、純弥は口を開く。少女はとりあえずと言うことで、純弥の私服に身を包んでいた。
「そういう事だ。旦那よ」
……胡散臭ぇ。
お茶を飲みながら小さく頷く少女を見て、純弥は考える。
こいつは、病気だ。
と。
「よし、猫又とやら。今なら救急車呼ぶだけ。警察は勘弁してやる。きちんと吐け」
「吐け?そうか、旦那はそういうプレイが好きなのか……。よし、ちょっと待て」
と、突然えずき始める少女。純弥は湯飲みを投げて少女の頭にクリーンヒットさせることで、彼女を落ち着かせた。
「ところで変態女。旦那ってのは誰の事だ?」
「む?それはもちろんお主のことだぞ?」
……ん?
と、純弥は停止する。一日に二回も思考が停止したのは、産まれて初めてかもしれない。
「何で俺が旦那なんだ?初対面の筈だが」
それに、俺はこんな嫁は嫌だぞ。
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