1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
窓の外を覗いても
そこには大量の滴しか目に映らず、
ここから見えるはずだった綺麗な富士山も
いまでは霞んでしまっている。
「...っあー暇なんだけど!」
「うるさい、俺も」
「わかってるけどさ、でもすることねえんだもん」
「ごもっとも」
「零冷たいのう」
「何も無いって名前だから」
そんな中、隣に座る折夜が話しかけてきても
生半可な答えしか返せない。
気分は最高潮の真逆で
最近ずっと繰り返されてる〝雨〟とやらも
跳ね返せるくらいのネガティブオーラが出ている...
のならいいのに。
現実世界なんて、
「現実世界なんてよー」
「え?」
「あ、いや、現実世界なんてめんどくさいことばっかだしゲームやりたいなーと思って」
なんだよ!!
びっくりした、自分の考えが読まれたかと思った。
そう、うん。
現実世界なんてつまらない、
思い通りにならないし第一、暇。
だから、だから気が狂ってしまって。
折夜の
「そういえばあ○ーばみたいなゲーム見つけたんだけど
一人だと孤立しそうでやろうと思えなかったんだよねー」
という言葉に
「じゃあ一緒にはじめないか?
どっちが最初に恋人できるか、勝負しようよ」
なんていう言葉を吐いてしまったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!