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東都防衛学院中等部内、寮付近。
暗い闇の中に時折キラッと光るそれは……
望遠鏡のレンズ。
毎日二十二時になると必ず光り始める。
そして、その望遠鏡を覗く少年の瞳は光が灯っておらず、未来に何の希望も見いだせない、そう訴えかけているように見えた。
(お父さん、お母さん……)
その少年の名前は、一三四善司(にないぜんじ)
少年は三年前に両親を亡くしている。内気で引っ込み思考。幸薄で不運の持ち主。その為、ネガティブ思考で何をやっても上手くいかない不器用さにコンプレックスを抱いている。
(そういえば明日から試験かぁ)
やる気の無さそうに心の中で呟いた。
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