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8月5日
「ねぇ、祭りに行こうよ!」
夏期講習を終え帰り支度をしていた私。
一緒に来ていた友人の一人が声に顔を上げた。
他の友人達はその言葉に賛成する。
だけど私はすぐに「うん」とは言えなかった。
「優花はどうする?」
隣にいた友人の亜沙美が心配げな顔で訪ねてきた。
「優花~!ドタキャンした馬鹿彼氏なんて忘れな!折角の祭りなんだから、楽しもうよ!」
舞の言葉に、日菜と芽久美がうんうんと頭を振る。
皆、透真と祭りに行けず落ち込む私を心配してくれている。
その気遣いが嬉しい。
「そうだね、行こうか!祭りだしね!」
笑顔で答えると私達は祭りへと向かった。
何軒も立ち並んだ屋台。
独特の空気に否が応にもテンションがあがる。
各自それぞれにかき氷や綿アメを持ちながら歩く。
「――あれ見て!」
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