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「それはペアリングなんだよ。サービスで名前彫ってあげるけど?」
「ペアリング……」
「それあげて、ちゃんと仲直りしたらいいじゃん!!」
ニッコリ笑う芽久美に、私は色んな感情の入り交じった顔を向けた。
別に喧嘩した訳じゃない。
まぁ円満な状態ではないけれど……
ただ芽久美なりに私の事を気にして言っているのは分かった。
「お姉さん彼氏と喧嘩したの?」
「あ、いや………」
「祭り一緒に行く約束してたの、ドタキャンされちゃったんですよ~!!ヒドくないですか?」
口ごもる私の代わりに、芽久美が説明した。
なんだか妙に恥ずかしい。
そんな私を察したのか、店員が優しい笑みで、
「上手くいかない事なんて一杯あるよ~。でも大さ、気持ちを伝えるって大事な事だよ」
「…………………」
「相手の事ばっか考え過ぎてると、自分が参っちゃうよ?」
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