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アーサーがハッ、として時計を見ると、朝の4時56分だった。
後4分で、アルフレッドの住んでいるアメリカでも7月4日になる時刻だ。
そういえば、アルフレッドは?
そう思ってあたりを見回すと、真横でぐっすりと眠っている恋人が居た。
服も何もかもが昨日と同じ状態だ。
ただ、自分の目線が元に戻っている以外は。
「あれ、俺、いつの間に戻ったんだ?」
「君が気を失った後だよ。ふあぁぁぁ・・・」
欠伸をして、たった今目覚めた眼鏡のないその瞳でアーサーを見つめるアルフレッド。
「おはよう、アーサー」
「あ、あぁ、おはよう、アルフレッド。見ろよ」
そう言って、時計を指差したアーサー。
「?4時59分?それがどうしたんだい?」
「もうすぐだ」
多くを語らず、アーサーは時計が5時を指すのを待っていた。
すると、丁度時計がその時刻を指した。
アルフレッドのほうに向いて、微笑んでアーサーは大事な言葉を贈った。
「HAPPY BIRTHDAY、アルフレッド」
「あ、ありがとうなんだぞ、アーサー」
気恥ずかしさに、アーサーはアルフレッドの唇を己の唇で塞ぐ。
嬉しそうなその笑みを浮かべるアーサーを見て、幸せを感じながらアルフレッドは瞳を閉じた。
最高のプレゼントだな、と笑いながら。
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