ひまわりの種

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『俺が太一でお前が陽。合わせて太陽。ひまわりって太陽に似てると思わねぇ?ひまわりは俺達の為の花かな。』  そう言って俺にひまわりの種と手紙を渡した。 『明日陽の家の庭に一緒に植えようぜ。手紙は植える時に一緒に見る。だから絶対見るなよ!』  そう言い、あいつはいつものように帰って行った。それが俺があいつを見た最後の記憶。  あの夏。俺達は確かに約束した。  なぁ俺、いつまで待てばいい?  あいつは約束を残したまま手の届かない所へ行ってしまった。  約束から2年。俺はスコップと種と手紙を持って庭に立つ。 『一緒に植えようって言っただろ!』とあいつが言って現れるかもしれないと思った。  俺は土を掘りながら手紙を見た。2年ぶりのあいつの字に涙が出そうになった。 『陽、大好き。』  そう書かれた手紙についに涙が零れた。 「俺も大好き、太一。」  なぁ、約束破ったんだから怒りに来てよ。 俺、お前にあいたいよ。 完
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