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「……ここか。」
痛む心臓を押さえ付けながら、リュオはそこに辿り着いた。
虹のカケラと呼ばれるモノ。化け物の残骸。
「……こんなものの為に、か……。」
ズキンと痛み、時間が無いなとリュオは呟く。
辺り一面が、金色のマグマに包まれた。
「どの道、俺も長くは無い、か……。」
ならば好都合だ。俺の全てを懸けて、ここにあるこの不純物を全て消し去ってやろう。
それが……多分、あいつの手向けにもなるだろう。
金色のマグマが、カケラを焼く。
リュオもまた、その金色のマグマと共に姿を消した。
後に残るモノは、なにも無かった。
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