間章の零、『語られざる物語り』

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「……無茶苦茶だね。本当に人間なのか、疑わしくもなるよ。」  タリアスは呟き後ろを見る。山なりに飛んでいて、今から下降する所だろう。  ――――彼の思い通りになるのも少々、癪だね。  タリアスは大地に向け弓の様な剣を構え、大地に向けてパニッシャーを乱発する。君が、先に行ってなよ。  タリアスの体がどんどん上に上がって行く。それを見たリュオは、空中で身を捻った。 「……?」  リュオは、何やら両足を前に突き出す。何かを削る様な音と、空気が焦げる様に足下から煙りが上がるのを……雲の近くまで来たタリアスは無表情で眺めていた。  リュオの速度はみるみる内に遅くなり、空中に僅かに止まる。  そして、何かを蹴った。確かに、音がした。  そのままリュオはタリアスに向かって突撃して行く。
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