終章、『エピローグ』

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「ふっ――――ははっ。」  とことん、最低な人間だなとアドロメアは思う。そう言えば、ヴァルア義姉(ねえ)さんの連れて来たあのアクルって女の子はどうしたんだろう。  てっきり、住む事になりそうだと思っていたが、別にそんな事は無かった。あの歳で一人旅かぁ……。  なんとなく、また会いたいなと思った。何でかは、解らない。誰かに会いたい?  自分は孤独じゃあ無いし、子供達はいる。  ああ、子供達には出来ない話しがしたいのかもしれないなとアドロメアは思う。ピスケラさんとか、十二聖護士には今は会いたくなかった。  別に彼女達に文句がある訳ではない。人と魔族の休戦による終戦。共存繁栄。素晴らしい事だと思う。  でも、もういないんだよ。私の、世界で一番大切な人。
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