間章の零、『語られざる物語り』

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 呆然としているタリアスをしり目に、リュオは両手を頭上に上げて手を合わせ握る。  巨大なハンマー……何て表現すら生温い一撃を、タリアスの頭に向けて放った。 「ガッ――――!!?」  そのまま物凄い勢いでタリアスは地面に向けて落下して行く。地面は、五区の近くの草木などまるでない荒れ地であった。  そのまんま、タリアスは地面に激突する。周囲が陥没し轟音が響き渡る。  まるで隕石でも落下したかのような惨状の大地に、リュオはドスンと重い音を立てて着地した。 「…………。」  リュオは、クレーターの真ん中まで行き大きな穴に声をかける。 「起きろ。まさか、この程度で死んで訳ではあるまいな……?」  ここに至るまでの攻防と惨状は、どうやら彼にとって『この程度』で済まされてしまうものらしい。  果して、タリアスは生きていた。穴から手が伸びて、這い上がって来る。生きてる彼も大概だが、流石にボロボロであった。
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