間章の零、『語られざる物語り』

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「……大昔は、人間と魔族が仲良く暮らしていたというのは覚えているよね?」 「……ああ。」 「……その更に昔は、魔族は存在すらしていなかったらしい……。」  暗くなった空を見上げ、星をその青い瞳に映しながらタリアスは呟く。 「……君は、異世界というのがあるのは知っているかい?」 「……今代の魔王もそこから来たらしいな。  希に迷い込んで来る者がいる事も知っている。」  クスリとタリアスは微笑む。なら話しは早いね。 「……私達から見れば、最早何年前かすらよく解らない時代に……その異世界から流れてきた生物が、いたんだ……。  どんな攻撃を受けても再生し、ありとあらゆる力を使用する正真正銘の化け物が…。」
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