序章

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「さて、覚悟は出来た?」  エリスは各々の顔を眺めながら言って、軽く息を吐き出す。不満ある奴わんさかねぇ。  まぁ仕方ないと言えるだろう。魔族と人間の共闘など前代未聞である。だが、これは大きな転機となってくれるはずだ。 「はいはい。アエアリスさん、そんな顔しないの。」  ジェミニアに言われて、じろりとアエアリスはその小さな少年を睨む。 「ヘィ、一々うるせーぞ。心配しねーでも、ちゃんとやる事はやる。」  信用した訳じゃねーがなと、アエアリスはエリスを一睨み。エリスは、はいはい、と軽く受け流す。 「……。」  とはいえ、流石に恐いわねとエリスは思う。この戦い、負ければ全て水の泡だ。散って逝った同胞達の思いも……。
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