序章

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「ピスケラさん、指はどう?」  一応、治癒力を強化する布を巻いているが。 「一日で治るわきゃないだろ? なぁに、アタイは上手くやるさ。」  豪快に爆笑(わら)うピスケラ。ジェミニアは、その笑顔に不安しか感じなかった。 「……。」  エリスは、もう一度溜め息。間に合うんでしょうね? 走馬……。  目を瞑り、息を吐く……空が白んで行き、景色に色が着く。夜が明けた。 「……それじゃ、行こうか?」  欠伸混じりに、ジェミニアは言った。
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