間章の零、『語られざる物語り』

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「―――――ッッツ!!!?」  タリアスが何かを思うよりも先に、百と八十くらいの体は空を舞う。力任せにぶん投げられたらしい。 「…………。」  何て事は無い。確かにタリアスの放つ光の矢……パニッシャーは文字通り光速だ。  だが、それは弓を引き矢を放つ動作を必要とする。つまるところ、タリアス自身の動きは光速ではない。  リュオは、タリアスが矢を放つべく指を放そうとした瞬間に間合いを詰めた。大体、十メートルくらいの間合いだったのでリュオ的には容易かったらしい。  ……少なくとも、タリアスを相手にそんな真似が出来る人類は彼くらいな物だろう。  リュオは腰を落とし、タリアスを投げた方向に向かって跳んだ。  二メートルと三十前後の巨体が空を舞った。
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